「理不尽な怒り」~女子大生アイドルストーカー刺傷事件

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今日、女子大生アイドルを34ヶ所もナイフで刺した事件の判決が出ました。

 

検察側の求刑が17年だったのに対し、判決は14年。

 

 

被害者の女性が一命を取り留めたから、殺人罪よりは低い量刑なのでしょう。

 

でも、うら若き女性を34ヶ所もメッタ刺しにしておいて、この判決では、被害者の女性もやりきれないことと思います。

 

法廷では、犯人の「殺すわけないだろ!」「さっさと殺せよ!」などの暴言が飛び交ったそうです。

 

「心のはたらき」を知らない一般人からすれば、この犯人は「常軌を逸している」「精神異常者」と映ることでしょう。

 

でも、私はこう考えます。

 

「よっぽど、『怒り』を潜在意識にため込んでしまったんだな」と。

 

別に犯人を擁護する訳ではありませんが、潜在意識に抑え込まれた「怒り」は、時間が経つにつれ、「増大し、増強し、膨張する」という性質があります。

 

そして、この「怒り」は、常にぶつける対象を求めています。

 

今回は、運の悪いことに、この女子大生がターゲットにされました。

 

AKBなどの、「会いに行けるアイドル」が流行ったことで、「アイドル」と「ファン」の距離が近くなりすぎ、こういうことが起こってしまいました。

 

一昔前なら、アイドルはTVや大会場のコンサートでしかお目にかかれない、「雲の上の存在」でした。

 

ですから、ファンが一方的に恋心を抱いても、せいぜいファンレターやプレゼントを事務所に送ることくらいしかできませんでした。

 

ところが、今はアイドルの方からファンに歩み寄る時代になりました。

 

CDを買えば、一緒に写真を撮ってくれたり、握手もしてくれます。

 

アイドルが「雲の上の存在」であることを止め、「手を伸ばせば届く存在」になったことで、犯人が勘違いしてしまったのです。

 

アイドルの「営業スマイル」を「営業」だとは思わず、自分勝手に自分はアイドルと恋愛関係を築いている、と思い込んでしまいました。

 

アイドルにとって、ファンに愛想よく振舞うことは当たり前のことです。

 

普通の人は、それくらい分かっています。

 

ところが、このストーカーの男性は「現実」と「妄想」の区別がつきません。

 

そうして、一方的に恋心を抱き、一方的にプレゼントを送り付け、「自分の気持ちに応えてくれない」と、一方的に殺意を抱いたのです。

 

これら一連の異常な思考回路は、やはり「怒り」が基になっています。

 

このストーカーの男性にこそ、「アンガー・バニッシュメント」が必要なのです。